ICTを導入する際の流れ(会社規模別のロードマップ)
対象1 小規模工事がメインの土木会社
前提
- ICT未経験
- 市町村案件中心
- 人員も限られるが、「やってみたい」気持ちはある
ICT施工を知る、そして「試す」!
知る →試す →慣れる →定着する →広げる がおすすめです。
| ステップ | 現場の状態 | 当社ができる支援 |
|---|---|---|
| STEP1:知る | ICT施工って何?どう違う? | HPのコラムやSNSで情報提供、現場見学会の提供 |
| STEP2:試す(らくらく施工) | 丁張・位置出しをICT化。まず1現場で「らくらく施工」を試す | 「ICT施工サポート」主にらくらく施工に対しての
データ作成+現場同行+操作レクチャー |
| STEP3:慣れる | 2現場目以降、自社で測量・操作可能 | 「ICT施工サポート」
必要に応じ、らくらく施工の支援や、 範囲を広げた部分ICT施工に対してのサポート |
| STEP4:定着する | 社内でICT活用が日常に | 同上 |
| STEP5:広げる | 発注者や元請への提案にも活用 | 勉強会・補助金情報共有・次のステップ支援 |
ICT施工は難しくない。まず“らくらく施工”から始める
現場の成功体験を積み上げ、自社で使いこなす。
対象2 大規模工事がメインだが、まだICT施工が未実施または数回のトライで
前提
- ICT施工は未経験 or 1回だけ経験
- 体制や機材の一部は整っている(担当者・ASP・レンタル調達可 など)
- 過去に“無理な導入”で苦い経験があり、次の一歩が止まっている
よくある失敗原因
- データを盛り込み過ぎる → 軽量3D(CL+勾配)で始め、数量や干渉は次フェーズ
- 一気に全区間に適用 → 100–200m/断面≤2で小さく始める
- 検査面の認識ズレ → 判定面の合意を事前に(仕上げ面など)
- 日次で回さない → 色分け→その場是正→再測を毎日1回は固定
- 属人化 → 命名・配布ログ・座標合わせ3点を紙1枚に
一度立て直して、再挑戦で定着へ
| ステップ | 現場の状態 | 当社ができる支援(例) |
|---|---|---|
| STEP1:再設計 | 過去の“詰まり”を把握したい | 失敗要因レビュー(30〜60分)
工程・データ・体制の棚卸し |
| STEP2:最小構成に絞る | 小区間×短期間のパイロットを決める | 簡易3D設計 |
| STEP3:現場で“回る型”を作る | 日次で色分け→是正→再測を回す | 半日OJT×2回
命名・配布ログ 座標合わせテンプレ |
| STEP4:2現場めで定着 | 同じ型で再現できるか検証 | データ受発注の型化(フォルダ構成・命名)
週次レビュー |
| STEP5:範囲拡張 | 曲線・法面・小規模交差点へ拡大 | 遷移表の扱い、枝区間の分割計画、RACI整備 |
苦い経験を再現させない“最小構成”で成功→再現の2サイクルを回す
一度難しく感じてしまうと、もう一度トライする気になかなか慣れないと思いますが、
やることを絞り、現場で“回る型”を先に作ると、再挑戦は驚くほど軽くなります。
100–200m/断面2タイプ以内の小区間で経験を積み、曲線や法面など複雑な現場にトライしてみて!
過去の苦い経験を良い経験に塗り替えてください。
対象3 大規模工事がメインの土工会社
前提
- 既にいくつかの現場で実績はあるが定着までは出来ていない
- 人材育成・内製化・効率化を目指す層
ICT施工を仕組み化する
| ステップ | 現場の状態 | 当社ができる支援 |
|---|---|---|
| STEP1:既存業務の整理 | 部分ICT/外注中心で属人化 | 現場ヒアリング・分析・最適化提案 |
| STEP2:標準化 | 現場ごとのばらつきをなくす | データテンプレート化・自社ルール設計支援 |
| STEP3:内製化 | 社内でデータ作成・運用 | 「ICT施工サポート(継続)」にて内製OJT支援 |
| STEP4:高度化 | MC/MG建機連携・出来形自動化 | ワンストップ支援(測量~検査) |
| STEP5:展開・教育 | 若手教育・マニュアル整備 | 勉強会・社内教育プログラム提供 |
ICT施工を“特別な技術”から“会社の当たり前”へ
生産性を上げ、内製体制を構築する。
シリーズ終了
初めてのICTシリーズのコラムは一旦終了です。
引き続き、ICTに関するコラムは更新予定です!お楽しみに!
